〜演奏会に寄せて〜
本来オルガン奏者一人のために書かれた三声部のトリオ・ソナタBWV525-530の全6曲をフルートとピアノによる二人の奏者で演奏します。この曲はヨハン・ゼバスティアン・バッハが長男ヴィルヘルム・フリーデマンのオルガン奏者としての教育的目的のため1727-1729年に意識的にこの6曲にまとめましたが、それに先立って関連するいくつかの室内楽曲として存在していた資料が残っています。そしてモーツァルトを初め当時の編曲の記録もあります。今回使用する楽譜のキルヒナー編曲のベーレンライター版は、その流れを踏襲している事からこの度採用しました。
自身の軌跡として、自主的な音楽会はこれまで様々な形式で開催してきましたが、J. S. バッハの作品だけでひとつのコンサートをまとめるのは初めてのことかもしれません。2005年のリサイタル以来20年近く数多くのコンサートとの共演と4枚ものCDアルバムの収録をご一緒している、私が絶大な信頼を寄せるピアニスト長尾洋史氏と作り上げるバッハの世界に御来場いただけたら幸いです。
吉岡次郎
演奏曲目
J. S. バッハ(キルヒナー編):
フルートとピアノによる 6 つのトリオ・ソナタ
( 原曲 : 6 つのオルガン・ソナタ ) BWV525-530
Johann Sebastian BACH (1685-1750) /
Sechs Sonaten nach BWV525-530 für Flöte und Klavier eingerichtet von Waltraud und Gerhard Kirchner