Kバレエ タイムズ K-BALLET TIMES

【会員様からの声】メンズバレエ - 自分にもできるかもしれない! そう思えて始めてみたバレエに今ではすっかりハマっています

2025.03.14
バレエレッスン

女性だけでなく男性の方々にもバレエの素晴らしさを気軽に体験していただきたい――
そんな思いから、Kバレエ スクールでは昨年、後楽園校、武蔵小杉校にて男性教師が教える、男性限定の初心者向けクラス「メンズバレエ」を開設しました。
ストレッチから始まり、バレエの基礎の基礎から丁寧に指導する1時間のレッスンはバレエの魅力に触れながら柔軟性や筋力アップ、健康維持にも役立ち、中高年の会員様からも「始めてよかった!」と好評の声をいただいています。ここでは、後楽園校で同クラスを受講している、40代・50代の会員様にご自身の体験を語っていただきました。

座談会にご参加くださった武蔵小杉校会員のお三方。左から、前田さん、新井さん、川井さん。
座談会にご参加くださった後楽園校「メンズバレエクラス」会員のお三方。左から、梨木さん、山口さん、萩原さん。

 皆さん、後楽園校のメンズバレエクラスに通うようになったきっかけを教えてください。

萩原 家族の勧めがあり、このクラスを知りました。20年以上前に姪っ子の発表会で見たきりだったバレエをきちんと見たのがKバレエトウキョウの『蝶々夫人』。感動し、それ以来コンスタントに見ていましたが、勧めがなければ自分がやるということは全く考えてもみませんでした。

山口 私は、大人になるまでバレエにはセリフがないことすら知りませんでした。舞台を見るようになってからも、「バレエは見るもの」だと思っていたのですが、インスタグラムでメンズバレエの広告が目に入り……。大人クラスと言えどもバレエは、若くてすらっとした人がやるものという固定観念があったのですが、広告では親近感のある先輩方が楽しそうにポーズを取られていて。それを見たら自分でもできるんじゃないかと思えたので、やってみようという気持ちになったんです。

梨木 妻が元バレリーナだったので結婚して初めてバレエというものを知りました。今は、妻がバレエ教室をやり、娘、息子も本格的にバレエをやっているので、存在は身近にあったのですが、家族で踊っていないのは自分だけ。大人の男性初心者のクラスってほとんどないので、このクラスを見つけて、すぐに入会を決めました。

実際にInstagram広告に使用された写真。様々な年齢の方にひろくバレエを楽しんでもらいたいという思いで撮影しました。

お知り合いもいない未知の経験。不安はありましたか?

山口 どんなことをするのかもわからないという不安はありましたが、広告を見てハードルが下がったので、勇気が持てました。実際行ってみたら、自分と同じような仲間の方がいっぱいいらしたので安心して、これなら続けられると思えたんです。

萩原 変な話、歳を重ねた男性たちが、一生懸命バレエをやるって不思議な空間じゃないですか?でも今では一緒に習っている仲間との絆も深くなり大人の部活のようなコミュニティ活動も楽しい一因です。家族に勧められたから始めたものの、身体を鍛えることが好きなのでハマってしまい、初回からほぼ毎週通っています。服装はどうすれば?という懸念はありましたが、皆さん普通のトレーニングウェアにバレエシューズです。

梨木 私自身は、バレエが身近にあるのでハードルは低かったのですが、バレエシューズを買う時に、続けられるのかわからないのに投資をしていいのか少し悩みました。レッスン着は、実は息子からもらったタイツを使っています。

バレエのレッスンのイメージは、始める前と後で変わりましたか?

萩原 意外だったのが、想像以上にアスリート的で筋肉を鍛える場面があること。優雅でふわっとした動きの習い事だと勝手に思っていたんです。筋トレに近くて、特に下半身に正しい筋力がつく。マラソンやトライアスロンが趣味なのですが、そういったものをよりよくやるための役にも立ちます。毎週鏡で自分の姿をチェックするので、戒めにもなります。自分の今の課題は柔軟性。でも、できるようになるために努力しているから、少しずつ良くなってきている気がしています。

梨木 私はリズム感がなくて、肩がいかり肩なのでバレエ向きではないなとは思うのですが、とはいえ趣味でやっているわけなので、「好き」ならやればいい、向いている向いていないは関係ないと思っています。

山口 私は、脚だけの動きならまだついていけるのですが、手の動きが加わるとまだちょっと難しくて。そうやって一つ一つやっていくと、自分たちがステップアップしていく道のりは長いなというのは感じます。

男性限定クラスでレッスンを続けてみて、どんなところに魅力を感じていますか?

萩原 やはりKバレエ トウキョウのプロの男性ダンサーが教えてくれるというのは素晴らしい魅力です。レッスンは、ストレッチ→バーレッスン→センターレッスンの1時間で、その比率は先生によって違い、すごく筋トレ率の高い先生もいます。

山口 筋トレのような追い込みもありつつも、終わった後は気持ち的にも優雅になるというのがいいですね。基礎重視なのでしっかり積み重ねている実感もあります。最後にやるシャンジュマン16回はきついのですが有酸素運動になり、おかげですっきりと1週間を締めくくれます。

梨木 先生方はKバレエの教師認定コースを修了していて、きちんとしたメソッドで教えてくれているというのもいいですよね。先生を含め、空間が男性のみなのもやはり大きな魅力です。この金曜遅めの時間帯はメンズバレエしかやっていないので、シークレットな空間で人に見られずやっている感じもいいなと思います(笑)

習い始めて何か変化はありましたか?

山口 この年齢になると新しく学ぶことってなかなかないので、いい刺激になっています。始めた頃はけっこう痩せましたし、風邪もひかなくなりました。また、以前は残業をしていた金曜夜に、レッスンに行くため早めに仕事を終わらせるので、生活にメリハリもできました。デスクワークなので、リフレッシュ時間にもなっています。あとは、バレエを始めてから、いい意味で男性らしさというものを意識するようになりましたね。

梨木 私も飲みに行く機会が減りました(笑)。ですが娘とレッスンの復習をしたりと、家族とのいいコミュニケーションにもなっています

萩原 お尻の筋肉が強化されました。姿勢も真っすぐ正しい姿勢に変化しています。習い始めてからテクニックのことも少しずつわかるようになってきたので、バレエ公演をより楽しめるようにもなりました。

梨木 バレエは見ているだけではもったいない。やってみて面白さがさらにわかり、プロのダンサーの凄さや舞台の良さが再確認できたなと思います。

萩原 一度、熊川ディレクターがレッスンに来てくださったことがあったんですよ。そこで教えてくださった時に「もっと大胆にやりなさい。自分にブレーキをかけてはダメ。そうしないと心が躍らないでしょ?心が躍らないとバレエじゃないから」と。その言葉が、ずっきゅーんと心に刺さりました。心を解放する手段としてバレエがあるというのはすごくいいし、ブレーキをかけるのはやめようと思いましたね。やり始めたからには、「踊り」と言えるものができるようになることが、目標です。

山口 私はピルエットとジャンプの技が目標です。まずは2回回れるようになりたい。

梨木 僕は、娘とのパ・ド・ドゥが目標です。娘には「無理だね」と言われていますが、死ぬまでにいつかはと思っています。

萩原 ジムで行う筋トレよりも柔軟性の高い正しい筋肉をつけることができ、部活のような楽しさ、リラックス効果もあるバレエレッスン。ただ、さぼるとすぐ身体が元に戻るので、これからもコンスタントに通いたいです。

取材・文:味澤彩子(ライター)Text by Ayako Ajisawa