「 “いつかは”という気持ちがあるなら、“いま”やってみる。その大切さに気づかせてくれました」
Kバレエ スクール 大人プログラムの発表会「Chance to Dance」は今年で15回目。
熱い想いでバレエに向き合った半年間のリハーサルの成果をスポットライトの下、煌びやかな衣裳に身を包んで披露する特別な舞台です。大人になってからバレエを始め、「踊る楽しさ」に目覚めた方々にとっても「舞台に立つ」というのはもう一段上のハードルであり一大決心。さまざまな迷いや葛藤を乗り越え、新たなチャレンジに踏み出した方々のステージは観客にも大きな勇気と感動を与えてくれます。
ここでは、10月に開催される同発表会にて、後楽園校の『ライモンダ』抜粋に出演する40代から50代の会員様にご自身の体験と想いを語っていただきました。あなたも今こそ「挑戦」と「感動」の扉を開いてみませんか?

10月に「Chance to Dance2025」にて『ライモンダ』より抜粋を踊る皆さんは、いつからKバレエスクールに通われているのでしょう?
齋藤 バレエは幼少期から常に「やりたいことリスト」にあったもの。子供が成人したのを機に、4年ほど前に始めました。今は週1回レッスンに通っています。熊川哲也さんは、知名度が高く安心感があったので、当校を選びました。
古山 高校卒業後、運動不足を感じてバレエを一度習ったのですが、就職して一時中断。30代後半でスポーツジムのバレエ教室で再開しました。Kバレエ スクールには、通いやすい大宮校が開校したのをきっかけに、初心者が多く、スタジオの綺麗さにも惹かれて会員になり、10年近く通っています。週3回の頻度です。
大島 実は4歳から小学校3年まで習っていたのですが、引っ越しでやめてしまって。1年半前に本格的に再開しました。最初は他のバレエ教室に通い、発表会に参加したらあまりにも楽しく、もっとたくさんバレエを習いたい!と思って立地的に通いやすい後楽園校に通い始めました。
齋藤 私は、バレエが全くの初心者。始める時はとても勇気がいりました。最初は、レオタードを着ることができず……。でも徐々に身体のパーツが変わってくるにつれ、いつの間にか着られるようになりました。また、始めるまでは敷居が高く感じていましたが、実際に通ってみると私と同様に大人から飛び込んだ人も多いと知り、年齢層も幅広く驚きました。大人バレエがこんなにも盛り上がっているとは! と(笑)。レッスンだけでなく、日々の悩みまで共有することができる素敵な人たちとの出会いがあり、そこも通っていて楽しいところです。
古山 私も、最初の2~3年はレオタードが着られませんでした(笑)。レッスンのたびに鏡を見て自分と向き合っていくうちに、自然と着られるように。実は、始めてから痩せることができたんです。自分の身体のことに気を遣うようになり、食事をしっかり取る、レッスンの時間を作るために仕事を早く片付ける、などメリハリのある生活スタイルになれたと思います。
齋藤 私も、骨や筋肉、栄養など身体のことを勉強し、大事にするようになりました。また自分の身体と向き合うようになったおかげで、日常生活ではわからない身体の不調にも気づけたんですよ。
大島 身体だけでなく、精神力もかなり鍛えられていると思います。年齢を重ねると経験値が増えるので、つい「まあいいか」と惰性でいきがちなんです。ですがバレエのレッスンは、なんとなくやるのではなく、できるまでやりたい! と、自分と真剣に向き合えるんです。また、私はクラシック音楽がすごく好きで。バレエは難しいし大変だけれども、「音楽に合わせて踊る」ということをシンプルに楽しみたいなと思ってやっています。
古山 楽しいし、「非日常」という感じがしますよね。Kバレエ スクールは先生たちが一生懸命教えてくださるので、こちらも諦めずに頑張ろうという気持ちになれます。
齋藤 できないことが少しずつできるようになるのが嬉しいし、簡単にはできないからこそ、ハマってしまうのだと思います。
「Chance to Dance」に、参加しようと思ったきっかけを教えてください。
齋藤 私は今回で2回目ですが、前回参加する時はバレエを始めて2、3年。「いずれは自分も舞台に立ってみたい」という気持ちはありましたが、出演はまだ先と思っていました。でも一緒にレッスンを受けているいろいろな人と話すなか、親の介護、家の事情、自身の体調など、「出たくても出られなくなる日が来るかもしれない。出てみたい気持ちがあって出られる状況にあるなら、今やらなきゃ」と強めに背中を押されて(笑)、決心しました。 それに、家族や学生時代からの友達が応援してくれ、楽しみにしていてくれるのも理由の一つ。日々の家族の協力には感謝しています。
古山 私は今回で3回目の参加です。最初は、「自分には到底できない」と思い込んでいました。ですが大宮校が『白鳥の湖』を踊った回を鑑賞したことで、普段同じようにレッスンを受けている人たちの努力に感動し、やってみたいと思うようになりました。
大島 最初、私のレベルで参加できるのか不安でした。過去の動画などをリサーチし、半年間という長い期間を使い、毎週レッスンの時間とは別に、リハーサルをしてくれることに後押しされて参加を決意。私は、浅川紫織先生のレッスンが大好きなんです。「Chance to Dance」は、最初に演目と指導の先生が発表され好きなチームを選べるのですが、半年間、毎週土曜日に浅川先生の指導が受けられる贅沢に惹かれて、後楽園校を選びました。
齋藤 私は演目に惹かれました。「Chance to Dance」は、普段のレッスンとはまた違って、同じ目標をもった人たちで切磋琢磨してリハーサルしていくので心強さも。トウシューズ、バレエシューズどちらも自由に選べるのも、参加しやすいです。

どんなところに魅力を感じていますか?
古山 家で自主練して振りを覚えたり、できるようになるまで練習することに必死ですが、大人になってこんなにもたくさんの “初めて”を経験させてもらえる場は貴重だなと思っています。そして、経歴も年齢も違う人たちが同じ目標に向かって集まり、しかも今回のメンバーで一緒に踊るのは一度きり。一期一会の出会いはとても貴重だし、「私も初心に戻って頑張ろう」と、前向きにさせてくれます。先生方もすごく熱心に教えてくださるし、現役で舞台に立たれている先生が目の前でお手本を見せてくださるのも嬉しいです。
大島 1回目のリハーサルの時は、周りのレベルが高くて「場違いなところに来てしまったかも……」とは思ったのですが、皆さんのおかげでなじめました。最初はできなかったものが回数を重ねているうちにできるようになると、「やればできるんだ!」って自信になります。半年はあっという間で、終わることを考えると、最近は寂しさも感じてしまうんです。
齋藤 30人ものメンバーが揃い一緒に踊れるのも「Chance to Dance」の魅力の一つ。普段のレッスンだと自分と向き合う時間がずっと続くので、みんなで合わせる、作り上げるという作業が学生時代の部活動みたいで楽しいです。
古山 レッスンは、できなくてもやり過ごせますが、発表会はできるまで努力するので積み重なっていく感じ、ブラッシュアップされている感覚を味わえるのも、好きなんです。参加するたびに新たな目標ができ、前回できなかった課題を今回はできた、と感じられる舞台にしたいです!
大島 やれることはすべてやり、本番は音楽を感じて楽しめたらと思っています。
齋藤 「何事も、まずはやってみたほうがいい」というのが「Chance to Dance」を通して感じたこと。新しいことを始めるのに年齢は関係ないと思うんです。本番は子供たちに「大人になっても元気で楽しい未来がある。年を重ねるのも悪くない! 」なんて思ってもらえたら本望です。
取材・文:味澤彩子(ライター)Text by Ayako Ajisawa